——同人誌即売会を主催するっつって、具体的に何すんの?——
FL準備会もいつまで続くかわからないし、いつ何の役に立つかはわからないけど
元気なうちにノウハウを文章化しておきたいなと思うので連載せんとす。
最初の『発案』から『イベント開催の第1報を告知する』までの段階での作業、とします。
発案する
FL準備会では「このジャンルのオンリーイベントがやりたい!」と主催が言い出した所から話が始まるわけですが、
(なのでオールジャンルの即売会のことはちょっとよくわからない)
ただのヨタ話でなく本当に実現できるのか、具体的な開催の可否を検討する必要が出てきます。
その判断に絡むファクターが大体、
- 日程
- 規模
- 会場
- 予算
- 手配
こんな感じ。
そしてこの5つに目処が立てば、晴れてイベント開催決定、いざ告知というワケです。
流れで順番に見ていきます。
検討する
日程
一般的には、参加者が来てくれないことには即売会は成立しないので、
サークルおよび一般参加者が参加しやすい日程で開催することを考えますが
実際のところは逆に、「参加しにくい」日程をまず除外して、それ以外で候補日を探します。
具体的には
- 同じジャンル、類似ジャンルの即売会
- コミケ等、大規模なオールジャンル即売会
- いつも手伝ってくれるスタッフが別で手伝っている即売会
これらの即売会と開催日が被っていたり、近かったりする日程は候補日から除外することが多いです。
(ただ大規模即売会との日程被りについては、コミケ以外では無視せざるをえないこともあるので割とケースバイケース)
それ以外にも、3月下旬~4月上旬は年度の変わり目なのでなるべく避けたい、みたいな判断もします。
あと当然ですが、公式のイベントが告知されてる場合は、その日程に直撃することは極力避けます。
いずれにしても、最初からあまりピンポイントで候補日程を立てるよりは
『この日程・期間はNG』というところだけ確認しておくほうがベターだと思います。
規模
諸々の手配の前提として、サークルスペース数の見込みを立てる必要があります。――が、これがかなり難しい。
新しいジャンルの場合は特に。
ネットの盛り上がりや、そのジャンルのコミケでのサークル数とかが参考になるような気がしないでもないですが
あくまで目安程度で、確たる正解を見いだせていないのが正直なところです。
サークル申込が予想より減ると、収入に影響が出るので勿論それはそれで大変なんですが
逆に予想より増えた場合、別フロアや別の会場を借りられないか検討したり、
それでもサークルを配置しきれない場合は抽選を行う必要が出てきますし、
そしてサークルが予想より増えるときは一般参加者も大体予想より増えるので、
入場待機列をどうするかみたいな問題も発生したりします。
過去に開催したことのあるジャンルであっても、
いざ受付してみると予想より大幅に増減したりするのは結構よくある話なので
まして初めて開催するジャンルのオンリーだと、事前予想を大ハズシすることも珍しくないです。
そうなったらその時はがんばりましょう。
会場
ともあれサークルスペース数の見込みが立ったら、それだけのスペースが収まる会場を探さなければいけません。
イベントホールや展示場のHPにはたいてい図面のデータがあるので、
それを元に、想定する数のサークルスペースを並べられるかどうか検討します。
直近で同人誌即売会の開催実績がある会場であれば、実際そのイベントに参加してみて
サークル配置図とかをゲットして参考にするのも手っ取り早いでしょうか。
ある程度場数を踏むと、「この会場なら何スペース入る」とかがデータとして積み上がるし、
初めての会場でも、ざっくり『1スペースあたり何㎡』みたいな感じで見積れるようにもなりますが
逆に最初のうちは実際図面をちゃんとイメージしたほうがよいとは思います。
見落としそうなポイントとして、通路幅が狭すぎたり消火設備の前を塞いだりすると
消防法の関係で怒られが発生したりもするので要注意。
また、ホールだけ借りられればいいわけではなく、それ以外にも
- 開場前の一般参加者の待機場所(会場の外に列を作れない場合)
- コスプレ更衣室
- スタッフ控室
みたいな別の部屋を一緒に借りる必要もあるので注意です。
もう一つ重要なのが、即売会に必要な机や椅子といった備品が揃っているかどうか。
会場に備品がない場合は、別の業者にレンタルを依頼することを忘れずに計算に入れておく必要アリ。
予算
『同人活動で利益を出すべきか否か』というのは、
個々人の信念等に拠る部分が大きいと思うのでここでは無視するとして
なんにしてもイベントを主催するには当然お金が、それもある程度の元手が要ります。
お金の話については長くなりそう、かつ見切り発車すると割と大変になりやすい大事な部分なので別記しますが、
イベントの規模感を考えたうえで、予算の問題をクリアできるか、懐状況とかを鑑みて判断することになります。
そして予算のうち、立ち上げ段階から大きなウェイトを占めるのはやっぱり会場費(とレンタル備品費)です。
便利な会場ほど予算が見合わないというのはよくある話……。
また、会場費の何割か――場合によっては全額――を予約後1か月以内とかに前金で支払う必要があることも多いので
そこで元手が必要になってきます。
ともあれ予算見込みの折り合いがつけば、
「何時ぐらいの時期に、何処どこの会場を借りて、最大**スペースのオンリーイベントを開きたい」
というレベルに計画が具体化してきますね。
手配
目当ての会場が決まれば、HPの掲載なり電話メールでの問い合わせなりで
空き状況を確認します。
すんなり希望の日程が空いていればヨシ!
そうでなければ別日程や別会場を探す段階に戻って再スタートです。
イベントを構想はするものの、会場手配の段階で折り合いがつかず
開催を断念や先送りせざるをえないのは割とよくある話なので
メゲずにいろいろ検討してみましょう。
ちなみに、大体の会場は1年前から正式予約可能ですが
小規模な会場だと、たまに半年前というところもあります。
告知する
宣伝
告知の機動性という意味で、Twitterのアカウントはあったほうが便利というか、必須ではあるんですが
それだけだとやっぱり厳しいので、イベント公式HPも準備しないといます。
第一報としては、ジャンル・イベント名・日時・会場あたりががわかれば十分です。
どこまで見た目に凝るかは主催の考え方次第なので、ここでは置いておきますが
やっぱり主催の気合が伝わりやすいとは思うので
可能なら可能な限り拘って損はないポイント。
あと、Twitterでイベントの新アカウントを作る場合は、プロフィールに主催の個人アカウントとかを明記しておくと
若干の身元保証というか、信頼度アップにはなるかなと思います。
完全にどこの馬の骨ともわからない身元不明のアカウントは、やっぱりちょっと怪しいので……
告知
会場と日程が決まって媒体が準備できれば、いざ開催告知!
告知の時期は、これも色々考え方があるところだとは思いますが
ウチはなるべく早いなら早いに越したことはない派です。
ただ絶対的なラインとして、主催側サークル側双方の準備期間を考えると、
小規模イベントであっても、遅くとも半年~5か月前には告知を出したいところ。
参加案内の詳細を詰め切ってから告知する、という手もありますが
バッティングのリスクも増していくので、個人的には日程と会場だけ確定した時点で第1報を出してしまうことが多いです。
イベントとしてはもちろん世に広く告知してからが本格始動ですが、
とりあえず以後の計画が見通せていれば、一段落として一息つくぐらいの余裕はあるかなと。
というわけであと何回かはわかりませんが適当に続きます。